2023/10/25
イベント
カーボンニュートラル実現に向けての様々な課題に挑戦すべく昨年5月に発足したグリーンCPS協議会が活動開始1年を記念し「設立1周年シンポジウム」を開催しました。
本シンポジウムではグリーンCPS協議会のこの1年の活動内容、経済産業省による招待講演、当協議会理事による講演、カーボンニュートラルデザイン分科会幹事による分科会活動内容の報告などを行いました。
・日時:2023年10月18日 13時~17時 (リアル/オンラインのハイブリッド)
・リアル会場:ベルサール三田ガーデン3階Room2
・オンライン:ZOOMウェビナー
1.主催者のご挨拶と協議会の活動状況
中村昌弘(一般社団法人グリーンCPS協議会代表理事)
設立1年を経過するにあたりご挨拶ならびに設立の趣旨、各活動成果、これからの展開戦略と戦略推進のための各講演の紹介を行いました。
2.招待講演(1)
荻野洋平様(経済産業省 産業技術環境局 GX推進企画室 室長)
「GXの潮流とCO2排出量の⾒える化・削減」
CN(カーボンニュートラル)に関する世界各国と日本の取組状況、我が国のGX(グリーントランスポーテ―ション)戦略、今年経産省より発出されたCFP(カーボンフットプリント)ガイドラインおよびCFP削減の方向性や経産省の今年度の政策全体について幅広い内容で講演をいただきました。
3.招待講演(2)
和泉憲明様(経済産業省 商務情報政策局 アーキテクチャ戦略企画室 室長)
「“デジタルアーキテクチャ”で作り出す産業構造のDXとGX」
デジタル時代の政策立案にあたり、個々の課題解決から社会システム全体のアーキテクチャをインフラとしてのプラットフォーム(ウラノスエコシステム)で提供することで社会実装していくことの重要性を事例や検討状況などを交えてご講演いただきました。
4.当協会理事による講演
・髙田祥三(早稲田大学名誉教授)
「サーキュラエコノミのためのライフサイクル開発」
資源リスクがますます高まる中での資源循環の重要性からそれを踏まえた製品設計・開発、ビジネスモデルやユーザーを巻き込んだライフサイクル計画とその管理に付きご講演を頂きました。
・伊坪徳宏(早稲田大学教授)
「気候変動評価と情報開示の現状とGCPSに対する期待」
世界の気候変動が急速に進む中でGHG(温暖化排出ガス)の削減は進まず環境に対するリスクが後戻り不可能なレベルに高まっていることを最新状況を含めご講演いただき、加えてGCPSがDXによってGXを評価・削減推進することへの期待をお話しいただきました。
・梅田靖 (東京大学大学院教授)
「デジタル・トリプレットによる日本型モノづくりの強化」
ライフサイクルエンジニアリング強化を支援するためのD3(デジタル・トリプレット)の3要素である物理(フィジカル)世界、情報(サイバー)世界、人間の知的活動の組み合わせにつき様々な実証結果を事例でご説明いただくとともに様々な業種業態へ展開して問題解決につながることをご講演いただきました。
・Dr. Chawalit Jeenanunta (タマサート大学 (タイ))
「Overview of the Carbon-Neutral policy in Thailand and DX for sustainability」
タイにおける気候変動評価とGHG削減への取り組みのご説明に加え、サステナビリティ追求のためのDX推進に付き、いくつかの実証事例をご講演いただきました。
・白坂成功(慶応義塾大学教授)
「カーボンニュートラル実現に向けた開発・イノベーション・戦略推進のあり方」
GXを実現する上での広範囲での関係性を俯瞰することと構造的な整理、状況の変化を想定した仕組み、価値循環などの重要性をご説明いただき、それらを技術のイノベーションで解決るための考え方やそのための多様性を活かした人材育成プログラムの必要性に付き講演いただきました。
・長島聡 (きづきアーキテクト代表取締役社長)
「スモールIoT、AIで加速する工場のDXとGX」
ファクトリーサイエンティスト協会における人材育成プログラムをご紹介いただきながら、製造業での様々な事例を交えてDX・GX人材の育成とそのコミュニティによるGHG排出量削減メニュー実現の展開に付きご講演を頂きました。
5.当協議会活動報告
大久保寛基(カーボンニュートラルデザイン分科会幹事 東京都市大学教授)
本協議会の主軸であるカーボンニュートラルデザイン分科会の目的や活動をご紹介いただくことで、単なるセミナー受講ではなく、会員になると得られる様々な価値につきご説明いただきました。
講演資料と動画はこちらから無料でダウンロードできます。